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コロナ禍から急速に回復する韓国コスメの中心地「明洞(ミョンドン)」

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コロナ禍収束以後、韓国の観光客は増加しており、2023年10月には外国人観光客は123万人(昨年同月比158.3%、韓国観光公社発表)となり、4か月連続で100万人を上回っている。国別の累積では、日本は184 万人と最も多く、次に中国が154 万人、その次に米国の79 万人と続いている。

 その中でも、訪韓外国人観光客がよく訪れる明洞では、商圏の勢いがコロナ以前の水準に復活しており、コスメショップの成長が顕著だ。明洞商圏内でのコスメ関連商材が売場に占める割合は今年上半期で33%に及び、昨年と比較して約2倍も成長しており、K-ビューティーの中心地として知られた明洞のコスメ商圏が蘇りはじめている。特に、ロードショップと呼ばれる主に観光地や繁華街に出店する中小規模の単独ブランドの店舗が相次いで、新規店舗を増やすケースが目立っている。

 人気ブランドを抱えるエイブルCNCのミシャ(MISSHA)は、2023年9月末に「明洞メガストア店」のリニューアルを行った。リニューアルオープン後1ヵ月間で、1日の平均売上高は前月比約40%増加、外国人顧客の売上は約30%増加したということだ。同社は「メガストア店は外国人観光客の影響などでフェイスマスクの売上が他店舗より18倍以上多い」と語る。現在ミシャは明洞に2店舗を運営しており、2024年1月にも新規出店を行う計画だ。

 

高品質で手頃な価格帯、さらにパッケージのかわいさで人気を集めるトニーモリー(TONYMOLY)は2022年10月末から2023年5月にかけて相次いで4店舗を明洞エリアへ出店している。同社は「コロナ禍が収束したことにより、外国人観光客が増加したことで明

洞のビジネスが急速に回復している。この状況を受けて出店を加速しており、売上も急増している」と語っている。

 その他、自然派スキンケアブランドとして人気の「ネイチャーリパブリック(NATURE REPUBLIC)」は、2022年12月と2023年1月に明洞エリアに出店。さらに2023年8月には「明洞ワールド店」をリニューアルオープンした。同社は「明洞ワールド店は20~40代の女性海外観光客が主な顧客層。中国や日本などアジア圏だけでなく、米国や英国などの観光客も必ず訪れる旗艦店である」と強調した。

 また、韓国最大手化粧品メーカーであるアモーレパシフィックが運営する、エチュードハウス(ETUDE HOUSE)も昨年2月に2店舗を出店し、明洞に3店舗展開している。

 変化の中で急激に進化するKビューティーと、ソウル明洞エリアの化粧品通りの復活に、今後も注目していきたい。

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ライター
韓国出身。現地のコスメ業界の最新トレンドやイノベーションについての情報発信をしています。10年間、アジア全域の美容市場に焦点を当て、リテール業界の専門家やブランドマネージャーたちに向けて、市場の動向、消費者行動、製品開発の情報を提供してきました。
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